鹿児島市の天文館にある心療内科クリニック 医療法人鑑朗会 メンタルヘルスかごしま中央クリニック

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ASD(自閉スペクトラム症)

人間関係やコミュニケーションの難しさで悩んでいませんか?
相手の気持ちや言葉の意図を読み取ることが難しい
職場や学校の人間関係で、同じような失敗を繰り返してしまう
急な予定変更があると、強い不安や混乱を感じる
音や光、においなどに敏感で疲れやすい
興味のあることには集中できるが、それ以外への対応が難しい

このような困りごとの背景には、ASD(自閉スペクトラム症)の特性が関係している場合があります。
ASDの特性の現れ方や程度には大きな個人差があります。子どもの頃には大きな問題がみられなくても、進学、就職、転職、結婚、子育てなど、生活環境の変化によって困りごとが目立つようになる方もいます。
メンタルヘルスかごしま中央クリニックでは、現在の症状だけでなく、子どもの頃からの生活歴や学校・職場・家庭での状況を確認し、一人ひとりの特性に合わせた応方法を一緒に考えます。

ASD(自閉スペクトラム症)とは

ASDは「Autism Spectrum Disorder」の略称で、日本語では「自閉スペクトラム症」と呼ばれます。生まれつきの脳機能の発達に関係する「神経発達症」の一つです。 主に次のような特性がみられます。

  • 対人関係や社会的コミュニケーションの難しさ
  • 特定の物事への強い興味やこだわり
  • 同じ行動を繰り返す傾向
  • 予定や環境の変化への対応の難しさ
  • 音、光、におい、味、肌触りなどの感覚の偏り

「スペクトラム」という言葉が示すように、特性の種類や強さ、生活への影響は人によって異なります。 会話が得意な方や、学業・仕事で高い能力を発揮している方もいます。一方で、周囲から困りごとを理解されにくく、人知れず強い疲労やストレスを抱えている場合もあります。 ASDは、本人の努力不足や保護者の育て方が原因で生じるものではありません。

アスペルガー症候群とASDの違い

以前は、言葉や知的発達の大きな遅れがない場合に「アスペルガー症候群」と診断されることがありました。 現在では、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害などは、連続した特性として「自閉スペクトラム症(ASD)」という一つの診断名にまとめて考えることが一般的です。 過去にアスペルガー症候群と診断された方が、診断そのものを否定されたという意味ではありません。

ASDの主な特徴

対人関係の難しさ

  • 相手の表情や声の調子から気持ちを読み取りにくい
  • その場の雰囲気や暗黙のルールを理解することが難しい
  • 相手との適切な距離感が分からない
  • 集団での会話に入りにくい
  • 雑談を負担に感じる
  • 冗談や遠回しな表現を、そのままの意味で受け取る
  • 悪気はなくても「一方的」「冷たい」と誤解される
  • 人との関わりによって強く疲れてしまう

対人関係を望んでいないとは限りません。人と関わりたいと思っていても、どのように話したり行動したりすればよいか分からず、悩んでいる方もいます。

コミュニケーションの特徴

  • 自分の興味があることを長く話し続ける
  • 会話の順番や話題を切り替えるタイミングが分かりにくい
  • 曖昧な指示を理解しにくい
  • 言葉を文字どおりに受け取る
  • 自分の気持ちや体調を言葉で説明することが難しい
  • 相手に合わせた説明の仕方が分からない
  • 電話や突然の会話を負担に感じる
  • 文章でのやり取りの方が理解しやすい

言葉を流ちょうに話せる場合でも、言葉の背景にある意図や、その場に応じた使い方を理解することに難しさを感じることがあります。

こだわりや興味の偏り

  • 特定の分野に強い関心を持つ
  • 興味のあることについて詳しい知識を持っている
  • 決まった手順や順番を守りたい
  • 自分なりのルールを変えることが難しい
  • 急な予定変更によって混乱する
  • 新しい場所や初めての作業に強い不安を感じる
  • 一つのことに集中すると、切り替えることが難しい
  • 細かい部分が気になり、全体を把握しにくい

こだわりは生活上の困難につながることがある一方、関心のある分野で専門性や集中力を発揮することにつながる場合もあります。

感覚の過敏さ・鈍感さ

ASDのある方には、感覚の受け取り方に偏りがみられることがあります。

  • 周囲の話し声や機械音が気になって集中できない
  • 蛍光灯や日光をまぶしく感じる
  • 香水や食べ物のにおいに敏感
  • 服の素材やタグが気になる
  • 特定の味や食感を強く苦手とする
  • 暑さや寒さに敏感
  • 痛みや体調の変化に気づきにくい
  • 人混みや騒がしい場所で強く疲れる

感覚の感じ方は本人にしか分かりにくいため、周囲から「気にしすぎ」と受け取られてしまうことがあります。

大人のASDでみられやすい困りごと

子どもの頃は、家族や先生の支援、決まった時間割などによって困りごとが目立たなかった方もいます。
成人すると、自分で判断することや臨機応変な対応が求められる場面が増えるため、就職後や家庭を持った後に初めてASDの特性に気づくことがあります。

仕事での困りごと

  • 曖昧な指示を理解することが難しい
  • 優先順位を柔軟に変更できない
  • 急な予定変更で混乱する
  • 職場の暗黙のルールが分からない
  • 報告・連絡・相談のタイミングをつかみにくい
  • 電話対応や接客で強い疲労を感じる
  • 複数の業務を同時に進めることが難しい
  • 小さなミスや手順の違いが気になり、仕事が進まない
  • 同僚や上司との関係で誤解が生じやすい
  • 職場に適応できず、転職や休職を繰り返す

学校生活での困りごと

  • グループ活動や集団行動が苦手
  • 友人との距離感が分からない
  • 時間割や教室の変更に不安を感じる
  • 興味のない科目に取り組みにくい
  • 教師の曖昧な指示を理解しにくい
  • 教室の話し声や物音で疲れてしまう
  • レポートなど、正解が一つではない課題が苦手
  • 進学による環境の変化に適応しにくい

家庭生活での困りごと

  • 家族の気持ちを察することが難しい
  • 家事や育児を臨機応変に分担できない
  • 自分のやり方を変えることに抵抗を感じる
  • 予定が変わると強いストレスを感じる
  • 一人で落ち着く時間がないと疲弊する
  • 感情や考えをうまく説明できない
  • 家族から「気持ちを分かってくれない」と言われる
  • パートナーとの会話がすれ違いやすい

ASDによる「生きづらさ」と二次的な不調

ASDの特性そのものよりも、特性と生活環境が合っていないことで、強いストレスが生じる場合があります。
周囲に合わせようと無理を続けたり、失敗や叱責を繰り返し経験したりすると、次のような精神的な不調を伴うことがあります。

  • うつ状態・うつ病
  • 不安症
  • 適応障害
  • 不眠
  • 強い疲労感
  • 自信の低下
  • 対人場面への恐怖
  • 引きこもり
  • 心身の不調

また、ASDとADHDの特性が併存することもあります。
「発達障害かどうか」だけに注目するのではなく、現在生じている不安、抑うつ、不眠などについても適切に評価し、必要な治療を行うことが大切です。

ASDの原因

ASDの原因は、まだ完全には解明されていません。 現在は、脳機能の発達に関係するさまざまな要因が複合的に関与すると考えられています。保護者の育て方、本人の性格、愛情不足などが原因で生じるものではありません。
ASDの特性は生まれつきのものですが、成長や生活環境、周囲からの支援によって、その現れ方や困りごとの程度は変化します。

ASDの診断について

ASDの診断は、一つの心理検査や質問票だけで確定するものではありません。
医師が診察を行い、主に次のような情報を総合的に確認します。

  • 現在困っていること
  • 対人関係やコミュニケーションの特徴
  • 興味やこだわりの傾向
  • 感覚の過敏さや鈍感さ
  • 子どもの頃の発達や生活の様子
  • 学校生活や友人関係
  • 現在の仕事や家庭生活への影響
  • これまでの病歴や治療歴
  • 併存する精神疾患や身体疾患の可能性
  • 家族や周囲の方からの情報

可能であれば、母子手帳、通知表、子どもの頃の作文、学校での記録などが参考になる場合があります。資料が残っていない場合でも、受診できないわけではありません。
ご家族など、子どもの頃の様子を知る方から情報を伺うことがあります。

ASDの心理検査

診察内容に応じて、発達特性に関する質問紙や心理検査をご案内することがあります。
心理検査はASDの有無を機械的に判定するものではなく、次のような特徴を把握するために行います。

  • 発達特性の傾向
  • 情報の理解や処理の仕方
  • 知的な面での得意・不得意
  • 対人関係の特徴
  • 性格傾向
  • ストレスへの反応
  • 現在抱えている心理的な問題

検査結果は、現在の困りごとを整理し、診断や支援方法を考えるための補助として使用します。
検査の種類や必要性は、診察後に医師または心理職からご説明します。予約状況によっては、検査の実施までお待ちいただく場合があります。

ASDと区別が必要な状態

対人関係の難しさや強いこだわり、社会生活への適応の難しさは、ASD以外の状態でもみられることがあります。
例えば、次のような状態との区別が必要です。

  • ADHD(注意欠如・多動症)
  • 社交不安症
  • うつ病
  • 適応障害
  • 統合失調症
  • 強迫症
  • パーソナリティに関する問題
  • 知的発達症
  • 学習に関する障害
  • 聴覚など身体機能の問題

複数の状態が併存している場合もあるため、自己診断だけで判断せず、医師による診察を受けることが大切です。

ASDとADHDの違い

ASDとADHDは、どちらも神経発達症に含まれますが、中心となる特性が異なります。
ASDでは、対人関係やコミュニケーションの難しさ、こだわり、変化への対応の難しさなどが中心になります。
ADHDでは、不注意、多動性、衝動性が中心となり、忘れ物、ケアレスミス、予定管理の難しさなどがみられます。
ただし、ASDとADHDの両方の特性を持つ方もいます。また、表面上の困りごとが似ていることもあるため、診察や生活歴の確認を通して総合的に判断します。

ASDの治療・支援

ASDの特性そのものを病気として完全になくす治療法はありません。
治療や支援では、ご本人の特性を理解し、生活上の負担を減らしながら、持っている力を発揮しやすい環境を整えることを目指します。

特性の理解と心理教育

まず、どのような場面で困りやすく、どのような方法なら理解・行動しやすいのかを整理します。
自分の特性を知ることで、これまでの失敗をすべて性格や努力不足の問題として責めるのではなく、自分に合った対処方法を考えやすくなります。

生活環境の調整

環境や情報の伝え方を工夫することで、負担を軽減できる場合があります。

  • 予定や手順を文章にする
  • 一度に伝える指示を少なくする
  • 曖昧な表現を避け、具体的に伝える
  • 急な変更はできるだけ早く知らせる
  • 作業の見通しや終了時間を明確にする
  • 静かで刺激の少ない場所を利用する
  • 休憩できる場所や時間を確保する
  • 本人が理解しやすい方法を周囲と共有する

心理的な支援・カウンセリング

必要に応じて、対人関係、コミュニケーション、ストレスへの対処、感情の整理などについて一緒に考えます。
ASDの特性による失敗や孤立によって自信を失っている場合や、不安・抑うつを伴う場合には、心理的な支援も重要です。
※心理カウンセリングは自費診療です。実施については診察時にご相談ください。

併存する症状への薬物療法

ASDの中核的な特性そのものを薬でなくすことはできません。
ただし、強い不安、抑うつ、不眠、いらだち、ADHDの症状などが併存している場合には、それらの症状に対して薬物療法を検討することがあります。
薬の必要性や種類については、症状や体調を確認しながら医師が慎重に判断します。

仕事や学校でできる工夫

ASDのある方が能力を発揮するためには、本人の努力だけでなく、環境や伝え方の調整も重要です。

  • 指示の内容と期限を具体的にする
  • 口頭だけでなく、文章や図でも説明する
  • 一度に複数の指示を出さない
  • 作業の手順や優先順位を明確にする
  • 予定変更は可能な限り早めに伝える
  • 曖昧なルールを文章にする
  • 集中しやすい席や作業場所を用意する
  • 感覚的な負担を軽減する
  • 定期的に認識のずれがないか確認する
  • 得意な分野や作業方法を活用する

必要な配慮は一人ひとり異なります。ご本人と周囲の方が話し合い、実際の仕事や学習環境に合わせて検討することが大切です。

ご家族や周囲の方へ

ASDのある方は、分かっていても協力しないのではなく、曖昧な指示や暗黙のルールを理解しにくい場合があります。
「普通は分かるはず」「空気を読んでほしい」と伝えるだけでは、本人がどのように行動すればよいか理解できないことがあります。
伝えるときは、次のような工夫が役立ちます。

  • 短く具体的な言葉で伝える
  • してはいけないことだけでなく、望ましい行動を説明する
  • 口頭で伝えた内容を文章でも示す
  • 急な予定変更をできるだけ避ける
  • 本人が落ち着いて考える時間をつくる
  • 感覚のつらさを本人のわがままと決めつけない
  • 得意なことやできていることにも目を向ける

本人の特性を理解し、環境との調整を行うことで、対人関係の負担を軽くできる場合があります。

ASDの特性と上手に付き合うために

ASDの特性は、日常生活での困りごとにつながる一方、環境によっては次のような力として発揮される場合があります。

  • 興味のある分野を深く追究する力
  • 細かな違いに気づく力
  • 決められた手順を正確に守る力
  • 集中して作業を継続する力
  • 独自の視点や発想
  • 誠実で率直な姿勢

すべての方に同じ特徴があるわけではありません。大切なのは、苦手なことだけに注目するのではなく、ご本人の得意・不得意を把握し、生活しやすい方法を見つけることです。

よくあるご質問

  • ASDは、発達の早い段階からみられる特性です。大人になって突然発症するものではありません。
    ただし、進学や就職によって対人関係が複雑になったり、臨機応変な判断を求められたりすることで、成人後に初めて困りごとが明確になる場合があります。

  • 人付き合いの苦手さだけでASDと判断することはできません。
    人間関係の悩みは、不安、うつ状態、過去の経験、性格傾向など、さまざまな理由で生じます。子どもの頃からの特徴や、複数の生活場面への影響を確認する必要があります。

  • 心理検査や質問紙は、発達特性や認知的な特徴を把握するための補助的な方法です。検査結果だけでASDと診断することはできません。
    医師による診察、子どもの頃からの生活歴、現在の困りごとなどを総合的に評価します。

  • ASDの中核的な特性そのものをなくす薬はありません。
    ただし、不安、抑うつ、不眠、強いいらだち、ADHDの症状などが併存している場合には、それぞれの症状に対して薬を使用することがあります。

  • 診断を受ける意味は、一人ひとり異なります。
    診断や評価によって、これまでの困りごとの背景を整理し、自分に合った環境調整や支援方法を検討しやすくなる場合があります。一方で、診断名だけですべての問題が解決するわけではありません。
    受診する目的や診断への不安についても、診察時にご相談ください。

  • ご家族からの情報は、診断や支援を考えるうえで参考になる場合があります。ただし、診断や治療を行うためには、原則としてご本人の診察が必要です。
    ご家族のみの相談や受診方法については、事前に当院へお問い合わせください。

ASDかもしれないとお悩みの方へ

対人関係やコミュニケーションがうまくいかず、「自分の性格が悪い」「努力が足りない」と一人で悩み続けている方も少なくありません。
困りごとの背景を整理し、自分の特性に合った方法や環境を見つけることで、仕事や家庭生活の負担を軽減できる可能性があります。
また、実際にはうつ病、不安症、適応障害、ADHDなど、別の状態が関係している場合もあります。自己診断だけで結論を出さず、日常生活に支障が続いているときは医療機関へご相談ください。
メンタルヘルスかごしま中央クリニックは、鹿児島市・天文館通電停近くの心療内科・精神科です。現在のお困りごとを丁寧に伺い、必要に応じて心理検査や治療、生活上の対策をご提案します。
当院は予約制です。受診を希望される方は、事前にお電話でご予約ください。

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